日本刀や刀装具の鑑定機関はいくるかあるがトップは言わずと知れた公益財団法人
日本美術刀剣保存協会(日刀保)
カラスは白といえば白になるほどの絶大な影響力を持つのが日刀保の鑑定書です
日刀保以外の鑑定は依頼した所有者は別として世間的には評価も価値の考慮もされません
鑑定ランクは下から
保存
特別保存
重要
特別重要
の4種
未鑑定品の物件は下から順に上がっていく方式で保存からスタートします
ただし保存と特別保存は同時に申し込みが可能です
重要は特別保存を得たあとに特別重要は重要を得たあとでないと申し込めません
(重要認定からは特別保存までとは合格難度が天と地ほど違うらしいです。それだけに重要以上は価値と鑑定の保証が爆上がりします)
昭和57年下半期まであった貴重、特別貴重、甲種特別貴重は相次ぐ不祥事や不正品出回りにより廃止され現在では無価値と化しているようです
さらに平成13年(2001年)に鑑定の不祥事が常習していたことが発覚し文化庁から業務改善措置が出されたがその後も続き、調査が行われた平成20年2月末~4月中旬にて調査期間中の3月まで不正が行われていたことが判明
つまり平成20年3月以前の鑑定書は不正の垢があるということです
とりあえずは平成20年4月以降は(定期調査しているのか不明ですが)鑑定には不正がないであろうと思われています
この辺りの時期を境に公益財団法人日本刀文化振興協会(刀文協)が創設され全日本刀匠会は日刀保から独立することになり現在に到ります
偽銘だと鑑定不合格だが銘消しして無銘にすると合格になることがあります
一部の刀剣の種類は物件の姿出来ではなく歴史がないと鑑定書にその種類の記載はされないという歴史基準があります
それに伴って廃刀令以降の現代刀で重要認定された物件は歴史が浅いため皆無です
物故刀職(亡くなっている刀職)の作品でないと鑑定されません(自分の所でやってる現代刀職展上位受賞作品ぐらいは受賞同時で保存ぐらい出してもいいんじゃね?とは思いますが)
偽造や書換品がそこそこ出回っているので確実性が欲しいなら日刀保へ台帳照会しましょう(電話でも簡易照会可)
鑑定審査の申し込みはインターネット(先着)と郵送(抽選)の2パターンでそれぞれに締切日が異なり枠も独立しています
保存・特別保存だと刀剣は年4回、刀装具も年4回、重要は年1回
特別重要は偶数年の4月にしかありません
昨日8月10日の保存・特別保存インターネット申し込みだと1400件の枠を約15分で受け付け終了するぐらいの人気です