第二種電気工事士技能試験で必須工具となるストリッパー
いくつか種類がありますが、代表的なタイプを3種用意して切り口を比較してみようと思い立ちました
被覆と絶縁被覆の切り口を比較すると違いが出ますね
まず下から
技能試験用に作られた専用ストリッパー
ホーザンの
P-957 VVFストリッパー(別売りの
合格ゲージを取り付けてあります)
切り口は被覆・絶縁被覆共に一番綺麗に剥けています。それでいて一番早く指定の長さに剥ける
さらに輪作りが2本同時に綺麗に出来るというチート工具
替え刃構造ではないので切れ味が落ちたり欠けたりしたら丸々買い換え。しかし候補問題2周半しても切れ味には問題はありませんでした(こじるような誤った使い方をしなければ大丈夫でしょう)
ケーブルカッター部分はあまり使わない方が無難
ヒンジはボルト止めなので開き具合を調整可能
次に真ん中
電工ナイフとペンチで剥いた例
電工ナイフは
マーベルの
LE-325 ザ・ナイフペンチは
FUJIYAの電工ペンチ
No.1050Z-175(余談:電工ナイフは未来工業のデンコーマックDM-11(左利き用DM-11L)が簡易ストリッパー付きで人気らしいです)
被覆はナイフで切り目を入れてペンチで引きちぎるので綺麗ではありませんが、絶縁被覆はナイフで剥くため綺麗に仕上げられます
※ここは技術差が出ますので上手い人はどちらも綺麗に剥けると思います
ただし時間が掛かりますし、焦ったり慣れていなかったりすると指を切ります
最後に一番上
VVF線ストリッパー
ロブスターのエコ電線対応VVF線ストリッパー
EEF203被覆・絶縁被覆共に段差の出来る切り口になる
このタイプのストリッパーでは少し切り込みを入れて引きちぎる方式なため他のも同じような仕上がりになると思われます
写真でもそうなっているが被覆を剥くときに絶縁被覆を少し削ってしまうことがある
メーカーに刃の調整をして貰って多少マシにはなったがやはり多少傷が付くためこれが仕様
案の定P-957のチートぶりが半端ないなぁ
本体に1cm間隔の目盛りがあるから被覆を剥くのが早い、合格ゲージを使えば絶縁被覆を刃に当てながら10~20mm間をmm単位の指定であとからでも剥ける
それでいて綺麗
絶縁被覆は2本同時にしか剥けないが保障外ながらも1.6なら1本2.0用に通せば3本同時に剥けます。2.0は3本同時は芯線を傷つける可能性があり無茶
価格は高くお仕事では使わないタイプのストリッパーだろう
エコケーブルも刃を食い込ませながら数回軽く上下に揺らすことで対応可能
ナイフは試験に受かるためなら時間が掛かりすぎるため論外
エコケーブルもより時間が掛かるため正直厳しい
VVRにはこのなかでは一番適している
この資格に限らず試験と現場(理想と現実というか)とでは結構異なることが多いのでそれぞれに適した方法に合わせたほうが利口と思う
お仕事ではストリッパーよりもナイフを使うことも多いだろうから、そういう道を進むならちゃんと練習するべき
VVF線ストリッパーも悪くない選択
サクッと外装は剥ぎ取れるし絶縁被覆も太さ問わず3本同時に剥ぎ取れる
エコケーブルもVVFと変わらず簡単に剥ぎ取れる強みがある
替え刃もあり構造も単純なこともあってそうそう壊れる心配は無い
ただしあとから1mmだけ剥ぎ取りたい(修正したい)とか微調整したい場合には難しい
ということで
技能試験用ストリッパーは時間が限られ、年一回しか受けられない試験にもってこい
次点ではVVF線ストリッパー
ナイフで剥ぎ取りはVVRぐらいでしか役に立たなそう
位置づけはこんな感じだろう
ちなみにケーブルのカットはP-957や電工ペンチではもうやっていません
マーベルの
ME-38カーオーディオのバッ直線をカットするために買っていた
VVF用じゃないけどVVF2.0-3Cもラクラク切れるのでつかっている
少なくともP-957のケーブルカッター部分は華奢なので多用はしない方が良いと思われる